木 S・H兵頭 | 松山市周辺の不動産をお探しなら株式会社青い国不動産にお任せ下さい。

株式会社青い国不動産
番号
日記
木 S・H兵頭

 以前の会社の同僚に鉄が好きだと言ってた男がいた。硬くて冷たいイメージの物質が好きだとはやっぱりこの男は変った奴だと思ったが、彼の父親が鉄工所を昔やっていたとしばらく後から聞いて、腑に落ちた。そういう理由だったのか。小さいころは鉄塊や鉄の切れ端の錆の中で育ったんだな。

 私も同じ理由からなのだろうか。素材の中では革と木が好きである。革は手入れ次第で半永久的に物的な維持が可能(の様に思われ)で、使えば使うほどに体になじみ愛着が湧いてくるからである。但し私が好きな丈夫な革ほど厚みがあって重くなるので、これを使う体力が必要になってくる。30年ほど前にバイク用に買った革ジャンは当時から普段使いには重めだったけれど、何とか使っていた。当時、これが重くて着れなくなったら俺の青春も終わりだなんて思いこんで、永遠の青春のシンボルにと無理して着ていたが、着てたのは最初の10年ほどで後の20年は重くて(無意識だか体力は落ちたんだ)バイクでは寒くて(革ジャンは暖かいイメージがあるが、隙間だらけの革ジャンは冬に着れたものではない)今はほこりまみれで吊るされているのを見るにつけ、昔の空しい思いが毎度頭をよぎる。

 革の方は私の生い立ちには余り関係なく、好きな素材として出したまでであるが、木は違う。昔の農家育ちの私の周りは木に囲まれていた。家はもちろん、燃料、遊び道具、学校、親の職場、目線を上げて向こうを見れば青々とした山脈の木々に囲まれている。そんな環境が当たり前で空気や水と同類の様に別段、感じても考えてもいなかった。

 それが好きだ、と思え出したのはいつ頃で何がきっかけだったのか思い出せないが、たぶん鉄の彼と同じく育った環境としか言えないと思う。

 さて、今年は60本ほどの柿の木を切った。母も高齢で徐々に柿栽培を縮小しているのだが、去年末には残り全部切ってくれと約500本ほどの伐採を要求されたが、年が明け、感情も薄れてきたのか、30年以上付き合っている柿木が愛しくなったのか、だいぶ伐採規模を縮小したものだ。私の方は嬉しさ半面、呆れ半分と言ったところである。取り敢えず、1年分ほどの薪はこの伐採分で間にあうだろう。S・H兵頭

投稿日:2018/02/20   投稿者:-