最近の自動車を取り巻く話題と言えば、EV(電気自動車)、自動運転、それに自動車を使った海外でのテロ事件や国内では高速道路での煽り運転、暴走運転など色々ありますが、運転好きな(車好きとは少し違う)私としてはどれも関心があるのですが、ここでは前者二つについて。
まずEVですが、世界の大手自動車メーカーはこぞって車のパワーソースを近々エンジンから電気モーターへシフトして行くとアナウンスしています。理由は排気ガスを出さず環境に良い為と言う歌い文句で、途上国の排気ガスが充満する都市の霞んだ遠景を映像で流されれば誰も、ちょっと待って?、とは言いずらいのですが、製造過程から合計してもキレイなのでしょうか、数字のマジック無しで検証してもらいたいと思います。
私は以前7年間(7万キロ)三代目プリウスに乗っていましたので、EVの運転のつまらなさは十分知っています。この車は勿論ハイブリット車ですので、動力は電気のみではないのですが、この車の性格に合わせるような大人しいエンジンが積まれていました。運転好きの私がなぜ7年間も我慢していたかと申しますと、一方でバイクに乗っていたからです。これで心の調和、均衡を取っていました。バイクに乗っていなかったらと思うとちょっとゾッとします。プリウスですらこれですから、完全は電気自動車なんてどうなんでしょう。私は一度代車で乗ってみただけですが、カーオブザイヤーを取った車がこれかい?!二度と乗りたくないものでした。山で乗っている乗用草刈り機みたいなものだな、と思ってしましました。
次に自動運転についてですが、これも一度だけ最新の外車の試乗で試した事がありますが、ちょっと言えないくらいのスピードでハンドルとアクセル・ブレーキから恐る恐る手足を放しても緩やかなカーブをキレイに曲がって行きました。余りにも鮮やかでしたので、狐につままれた様なマジックを見せられた様な気持ちになった覚えがあります。
この二つの自動車に関する技術ですが、私は前者には否定的、後者にはやや肯定的な感じ(あくまでも今は)を持っています。EVについては運転のつまらなさが一番。仮に0→400mや最高速のタイムがエンジン車を上回ってもそれは運転の楽しさとは別次元のものです。車の運転好きは運転席で自分の五感を通して車との対話を楽しみます。話しかけてもいつも無口で物静かなEVでは会話は弾みません。ラジオや音楽を聴くにはよいですが。それに爺さんのトイレ事情みたいに、しょっちゅうサービスステーションによって充電しなければいけません。こんなつまらなくて、不便な車が普及すると今盛んに言われている若者の車離れに益々拍車が掛かるのではないでしょうか。メーカーはあくまでも一バリエーションとして生産してもらいたいものです。
自動運転については確かに便利だなとも思いますし、EVと違ってこちらの方は運転疲れを軽減して安全に寄与すると思いますので、特に高齢者や初心者、長距離ドライバーらは将来的には必携でしょう。但し、度が超すとタクシーで駅まで行きそこから電車に乗り換え、またタクシーで目的地へ、と変わらなくなります。両者が合体すると、高層ビルを高速EV(こちらはエレベータ)で無音であっという間に地上50階まで到着しました、というイメージでしょうか。 S・H兵頭