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decentな子 S・H兵頭

作家の大江健三郎氏のエッセイ「恢復する家族」(講談社文庫)にニタッとしながらうなずきく文章があった。「僕が今もっとも誇らしく思うことは、障害を持つ自分の息子に、decentな、つまり人間らしく寛容でユーモラスでもあり信頼に足る、そのような人格を認めることです。又、この障害児と共生することで、彼のような性格に、家族みなが影響を受けてもいることです。」

 私の次男の事は以前、私が彼の通った特別支援学校(中・高)のPTA会長時代にはたびたびこのブログに書いていた。久し振りに彼の事を書こうと思ったのは、上の様な大江氏のエッセイ(特に知的障害者の長男を中心としたエッセイである。彼を含め大江氏の周りの人たちの心の恢復が書いてある)を偶然読んだからである。ご存知の方も多いと思いますが、大江光氏は音楽家でもある。

 私の息子にはそのような芸術の才能は今のところ見受けられないが、私の息子も23才となり福祉作業所の若手ホープとして日々労働者として嬉々として作業所に通っている。そんな彼は親の私から言うのも何なのですが、穏やかでユーモアがあり、寛容で、妹想いと言うように光氏(大江氏の長男の名)と全く同じ良い人間性を日々感じていたので、この文章を読んだときニタッとしてうなずいたのである。そして、家族の中でも彼はボケ役として、母親や妹らがガミガミ、ギスギスしている時何物にも動じないようで、かつホンワカした彼の本領が発揮され、場を和ませるのである。

 思うに特に知的障害者は俗世間の影の部分は理解が出来ないので、人間の良質な部分だけが純化されて残った物のみを引きうけているのではないか。光氏も私の次男も非常にそこは似ていると思うのだが、こんな薄っぺらな理解しか出来なくてよく障害者の親がやっておれるな、とは彼は指摘しません。日課のいつもの歌のいつものフレーズを熱唱しているでしょう。 

投稿日:2018/11/04   投稿者:-
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