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山羊に囲まれて 兵頭

 今朝ちょっと驚き感心する行動をある動物で見た。家の近くの標高300m程の低山、淡路ケ峠(トウと読む)の登り下りを急ぎ足及び駆け足で1時間強で往復する日課の一つだが、その途中中腹あたりの林の中の登山道にいつもの山羊がいた。

 南面の傾斜地に放し飼いになっている家畜の山羊で、首輪と鈴がその首に巻いてある。一応柵らしきものはあるのだが、なにせ放牧地面積も広いようで、山の木々や背の高い雑草も茂り、見渡せないくらいの長い柵なので、何処かに壊れて抜け出せる箇所があるのだろう。柵の外の木々が覆う登山道付近で3頭が早足で登って来る私を見下ろしていた。

 1頭には大きな角がある雄山羊で、他の2頭は小さな角の雌山羊である。私は側を驚かせることのないように、スピードを緩めて山羊の背をちょっと手で触れながら行き過ぎた。

 山頂から折り返した下り道、登りに山羊のいた場所を通過してから20分程度経っていただろう。その同じ場所でまださっきの山羊が草を食みながらたむろしていた。私は登り時と同じように、敵じゃないよといった雰囲気を出して雄山羊の横を通り過ぎようとした。しかし彼は私に抜かれないように私の左前方を右目で私を捉えたまま私の歩調に合わせて下っていく。その前方に2頭、後ろを振り返ると1頭と登り時より1頭増えた山羊らに私は囲まれて下って行く。

 異変を感じた私はこの囲まれた状況から脱しようと、歩調を上げたが、山羊達も抜かせまいとスピードを上げる。人にかまってもらいたいのか、食い物をねだる行為なのか分からないが、私を前に出させず順番を崩さない。よく見ると最前の山羊は一回り小さい体躯をしている。これは子山羊だな。その次が一回り大きい雌山羊、3番手で私の斜め横にいるのが一番大きくて角が大きい雄山羊、そして後ろにいる4番手の雌山羊である。

 私はさらにスピードを上げようとすると、雄山羊が左前から体をこちらに寄せようとする。曲がった鋭い角が目の前でチラチラするので、こちらもこれ以上無理をする気になれない。右手は急坂である。その時私は山羊らに下るスピードをコントロールされていることに気づいた。

 すこし先に鉄塔があり、その周りには木々も無くちょっとした広場上になっている所がもう少しだと、気が付いた。そこまで行けばこの連行状態は抜け出せるだろうか。その様に考えながら下っていると木々の陰間から明るい広場が見え出した。その時私はやっと気づいた。

 この山羊らは先頭の子山羊を私から守っているのか。私を子山羊に近づけさせないように、雄山羊が私の斜め横で私を牽制し、2番目の雌山羊が子山羊の後から守り、最後の雌山羊が私を後ろから見張る。すごいフォーメーションだ。もし私が子山羊に襲い掛かろうとダッシュしたら、どうなるだろう。散り散りになるのか、否私は雄山羊に頭突きをされて右下の谷に落とされるか、後ろの雌山羊に尻を噛まれるかだろう。いずれにしろ、昨晩観たラクビーW杯日本VS.スコットランド戦の攻防の様に、大事な子山羊を渡さないために相次ぎ私にタックルをかますだろう。

 広場に入ると、子山羊が山道から外れ、右奥の方に離れたことを確認して、他の親山羊らは囲みをといて、私を自由にした。この体型はやはり子供を守るための野生で身についたフォーメーションだったんだと私は理解して、頭も体もスッキリ解放されて足早にその場を去った。

 

投稿日:2019/10/14   投稿者:-