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樅(モミ)の木は残った

 酒とつまみを持って風呂に入る。風呂のサッシ窓と網戸を開け放つ。雨粒が浴槽の中の私の上半身にも掛かるが気にはならない。いつもは新聞か運動関係の雑誌を持ち込むのだが、今日は外の風景を肴にすることにした。

 浴槽の淵を枕に窓越しの上空を見上げると、灰色の雨雲を背景に樅の木の先端部分や枝ぶりが見える。いつの間にか2階の窓辺りまで成長してしまった。15年ほど前に風呂の窓から今のような姿勢で空を見上げた時に何も無いのがちょっと物足りなくて、クリスマスが終わりツリーとしてホームセンターで買った1m程の樅の木の幼木をそこへ植えたのだ。

 日頃は余り通らず、日当たりの良くない北西の角に植えたので成長も遅いので、視覚にも入らずに忘れていた存在だったが、ここの処に来て存在感をどんどん増してきた。真下から見上げてもピンとこない木だが、最近ちょっと離れた西側の通りから、赤い家の外壁に三角の常緑の樹形がくっ付くように生えている姿を遠目から好んで見るようになった。

 今だったら植えることはないかもしれない。否、絶対にない。なにせ成長しきったら、高さ40m(ビル13階建に相当)直径も1.5mの巨木に成長することを知っていたら、40坪ほどの敷地の中に建つ家の壁から30cmの処なんかに植えるはずがない。多分もう5年もしたら二階建ての家の高さを完全に超えるだろう。幹も家の外壁にさらに近づき、家の基礎を脅かすことになるだろう。だから樅の木は多分残らないだろう。(私の少年期のNHK大河ドラマのタイトルに引っ掛けただけです)

 しかし、風呂に入りながら雨粒を浴びて見上げる樅の木はちょっとした風情がある。ちょっとした旅情を感じる。 -兵頭-

 

 

投稿日:2020/06/11   投稿者:-