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ネガティブ未来的自動車論 動物的カンから

 私には「車」について常々心配に思っていることがある。

 まず、夢の技術、自動運転である。1から5段階あって、現在市販されている車は、3段階までのものである。これは高速道路上では「よそ見をしながら」運転走行を車に任せられるものである。最終5段階になると、目的地を車に入れてば寝ていようが、映画を見ていようが、何処へでも連れて行ってくれるものだと思う。まるで夢のようだなあ。

 私は昨年2段階レベルか3段階レベルか分からないがこの辺りのデモカーを2日間レンタルして1泊2日の遠出をした。やはり初めはおっかなビックリで、おそるおそるハンドルから手を放した(但し、手がハンドルのどこかに触れていないと警告音が鳴る仕組みが付いている)が、それにも慣れて高速道路上では時々車に身を任せていた。運転好きな者にとっても、単調な高速道路での運転はこの技術があれば一日で日本一周するくらいのチョットした長距離ではより助かると思いながら運転していた。

 2日目の夕方、自動運転で高松方面から松山へ高速道路を走行中、もう5分ほどで目的地出口の松山ICの一つ手前の川内ICに到着するころ、トンネル手前の緩いカーブで事が起きた。いや起きる寸前だった。そこは路肩の白線と黄線が入り混じりそれもだいぶ消えかけていた場所だったと記憶している。そこに差し掛かった時、車がスピードも落とさずカーブで曲がろうとしない様子に気づいた。私もこの技術を2日間試したとは言え信頼しきっていなかったカンが、私と同乗者の命を救ったのである。直線ではほぼ良いが、カーブでは無意識によそ見をせず視線を進行方向へ向けていたのが助かった要因である。とっさに添えていた手でハンドルを右に切り、コンクリート壁に激突寸前でクリアーしたのである。夢の技術で悪夢のような事態を見てしまうところだった。

 二番目はEV(電気自動車)への傾斜である。2030年から2050年に掛けて温暖化ガスの削減を理由にガソリン車の生産を廃止するらしい。これは石油資源国と資源小国であるヨーロッパの国々との綱引きであり、予告付きのゲームチェンジである。私は学者でも専門文書を読んだ者でもないが、地球規模の壮大な変化の話に単純にガソリン車を廃止したり、自然エネルギーや再生エネルギーを活用したりして対処できると考える人間は、バカか利権を得ようとする賢い者のどちらかである。私の動物的カンであるが。

 そうでなければ、毎年世界のどこかで起こる甚大な被害を及ぼす地震がなぜ予知できないのだろうか。例えば西暦1000年から300年ごとに大地震がおきているから、今後100年の間に50%の確率で大地震が起きるだろう、的な理屈とも言えない小理屈は学者の動物的カンが働くのであろうか。私には温暖化の話もこの程度のものに思える。

 いずれにしろ、私が死ぬまでの後20~30年間はガソリンエンジンの鼓動を禁止しないでもらいたい。EVのスムースさが、動物的カンを鈍らせるから。

 三つ目は現在の自動車技術の進歩である。私は、バイクを趣味としていて、18歳から10年間ほどと40歳後半から15年間ほど仕事でも余暇でも愛用している。所有してきたバイクも和洋の10台以上である。

 この18歳から62歳までの44年間でバイクの何が変わったか。基本は変わらない。変わったのはやはり市販車で超長距離を短時間で走れる技術と、生身の体で新幹線を追い越せる超スピードが可能な高性能のものがお金を出せば誰でも普通に買えることである。生身の体である以上24時間365日ぶっ続けで走ることはできないし、法定速度がある以上いつもいつも350km/hで走れる訳がない。

 昔も今も、普段使う距離とスピードは変わらないのである。生きている人間が法律の規制の下で使えるバイクは昔のバイク性能でよいのである。この高性能化の弊害は大きく、濃く厚かった普段使いの部分のいわゆる乗り味をパスタを綿棒で伸ばすように広く薄くしてしまったのである。どこまで乗ってもどれだけ出しても安全かは別にして、乗れてしまうバイクは普段使いの部分では淡泊な詰まらないものになってしまったのである。

 この理屈は車も同じである。使わない、使えない機能をメーカーは作り、消費者はお金を払っているのである。EVもハイブリッド車もクリーンディーゼル車も同じである。昨今の旧車ブームはその辺の事情を車好き・運転好きの人らが嗅ぎ取っているのであろう。兵頭

 

 

投稿日:2021/03/05   投稿者:-
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