四国地方が梅雨入りした。今年は観測史上最早らしい。これから2ケ月ほど雨ばかりだと思うと、少し憂鬱になるのだが、飲用水や農業用水、植物にとっては大切な天の恵みである。
梅雨入り当日、快晴だった先日の休みは、トラクターで田んぼの代かき前の田起こしをやった。一ケ月ほど前にもやったのだが、草が又伸びてきたと、母からの依頼である。農業一筋80年の超ベテランの行動は私ら農業素人から見ると、ここまで必要なのかと思うほど雑草を徹底的に嫌う。
田起こし中のトラクターの上で私は暇である。唯一Uターンの時だけは気を付けてるが、後の直線ではスマホでメジャーリーグの結果を見たり、鷺がトラクターの音に驚いて土の中から飛び出して来るカエルを長い口ばしを箸の様に器用に使い、次から次へとカエルを捕まえて2~3度噛んでは胃袋へ放り込んだり、スズメが同様に土の中から飛び出して来る土蜘蛛を上手に捕食したりしているのを車上から眺め、気ぜわな世間から離れてのどかにトラクターを運転している。
トラクターついでに思い出したのが、GW中に行った群馬県の嬬恋のキャベツ畑とそこのトラクターである。この巨大さと言ったら、私のそれと比べるとSクラスベンツと軽トラ、戦車とリヤカー程の違いである。パワーも私の物が20~30cm程の深度しか掘れないのだが、あちらの物は1m位の深度で耕せるのだろう。
その巨大なトラクターが行き交うす浅間山の麓、標高1000mの寒冷な高原の広大なキャベツ畑は、今が夏秋キャベツの種まきのシーズンの様だ。
そのキャベツ畑の真ん中にバイクライディングに楽しい道がある。その道は信号もなく上へ下へ右へ左へとバイクをジェットコースターの様に丘陵地帯を走らせることが出来るのであるが、その途中の道路端に一本の満開の桜の木があるのを見つけて停車した。その朝は快晴で、山頂に雪を頂いた浅間山を背景にその桜を撮ろうとスマホを取り出して構えてその画面を見ると、何とそれは昔私が自分の中で理想の桜の風景を思い描いた心の中の風景そのものと言っていい組み合わせ(雪山と桜)なのである。
私は良いアングルで取ろうと前後左右動いてみたが、山はきれいに映るのだが、桜の木が逆光で花びらが暗くなっている。折角なのだが今年は撮影は止めて、来年5月の午後に撮ろうと思った。きっと晴れているだろう。兵頭