冬から春の季節の変化は、私的には薪ストーブとスキーからバイクの季節に変わることである。バイクは白い方(モンスター696)は普段の足として真冬でも乗っているので、正しくは赤いトウガラシ(ムルチストラーダDS1000)の季節に変わると言う意味である。先日の休みに、その赤いトウガラシに去年の秋以来久しぶりに乗った。
普通、久しぶりの始動、特に春一発目の始動はエンジンが掛かるかどうか少し緊張するものだけれど、そこは心配ご無用。冬の間バッテリーにずーと家庭用電源を繋いでいたので、当然のごとく一発始動だった。エンジン音も外観も特に変化がないので、オイルが回りきっていないエンジンを痛めない様に、そろりとスタートする。
その日は今シーズンの足慣らしで2時間程度、松山から久万高原町、小田町、広田村、砥部町を周回する山岳コースを走ることにした。赤いトウガラシは半年前と変わらずに、独特の低い野太い音と甲高い音(去年、クラッチを交換してからはこの高音は減ったのだが)マフラー音を響かせて、そこを軽快に走り抜けた。ただ、この半年間ずーと白い方に乗っていたので、久しぶりに会った人と話す時の様なギクシャク感も持ったが、2~3回乗ればその感覚も戻るであろう。なんせ、これは私が乗った中で最高のバイクなのだから。
一つ想定外の出来事があった。松山平野ではそのころはほどんど桜も散っていたのだが、標高の高い久万高原町から小田町に抜ける県道沿いは今が盛りと、さながらここは桃源郷かという言葉が口から漏れると言う例えもさながら誇張でない程の満開の桜に出迎えてもらえたのである。
もう一つ久しぶりの嬉しいことは、プールが再開したことである。この2ケ月余りコロナの感染防止対策の一環として、クローズしていたアクアパレットプールが今月初めに再開したのである。
週2回程度は泳いでいた体は、陸上オンリーの運動に変わったことで、今までやってきて体に染みついた上半身と下半身の運動バランスが崩れ足腰中心の運動は全身に疲れをもたらしていた。水泳を挟むことがいかに良いバランスだったか、今回しばらく泳げなかった事で良く分かったのである。
久しぶりのスイミングは、呼吸系は問題なかった(問題になるほどのスピードは出せなかったが)のだが、肩の三角筋がこれを書いている1週間後でもまだ違和感が残るほど直後は痛かった。ここの部位が痛くなるのは水泳をやり始めて15年程で初めてなのだが、そう言えば50年程前の中学時代の野球部で新人ピッチャー候補としてピッチング練習をして以来、久しぶりなのを乾きそうな記憶の沼から見つけた。そう言えば、脳の記憶より筋肉の記憶の方がどうのこうの、と誰かが言ったか何かで読んだか、脳は覚えていない。