バイク一台買った。この一ケ月の間の休みを中心に色々な場所で乗ってみたが、思っていた以上に良く出来ている。
良い点を挙げてみる。①まず、一番は低速でも粘り強くかつ高回転まで軽く吹き上がる3気筒675ccのエンジンである。赤いトウガラシ(ドカッティ)のように3000回転以下は使えないと言うことは全くなく、かつ高回転域まで速度に比例してスムーズに上昇し、ドカーンと気が触れたような速度に急増する赤トウと違い、運転者がコントロールし易いふけ上がり方である。
②すべてがコンパクトな設計で、ワインディングロードでのスポーツ走行に向く。自分の腕が上がったような錯覚を受ける。では一般道はダメかと言えばそうではなく、シート高が低く、上記の様に扱い易いエンジンなので渋滞道でも十分OKである。但し高速道路での長時間の高速走行には全く向かない。カウルもなく、手足や体を小さく畳む様なポジションのため、長時間はキツイ。
③燃費がよい。珍しくレギュラーガソリンでOKで、かつ20km/ℓ近く走る。
④軽い。リッタークラスバイクだと200kgオーバーは当たり前で、私のロング用の白鯨号は350kgあるのだが、その半分の180kgなので取り回しが非常に楽である。この軽さは②や③にも良い影響を与えているだろう。
⑤高いコストパフォーマンス。10年落ちのバイクで、かつ大型免許を持ったら1000cc以上を皆欲しがるので、中型免許のちょっと上あたりで中途半端に古い物は人気薄なのだろう。加えて、デメ金の様な色と恰好をしているので余計だろう。
話は少し逸れるが、以前乗ったカワサキゼファー1100cc。ジャニーズスタイルの均整のとれた美しいスタイルとストーリー(昔のバイクブームで若者が憧れた伝説)を持っていたが、値段が高いだけで、車重は重く走りは重鈍でバイクが嫌いに成りかけたきっかけを作りかけてくれた反面教師のようなバイクがあったが、それから学んだ事は、バイクは値段やスタイル、ストーリーは楽しさや実用性に全く関係ない事であった。
結論。気持ちよく泳ぎ回る万能型デメ金。(Triumph street triple)
オープンウォータースイミングにハマっている。オリンピック競技のように何も身に着けづに泳ぐのではなく、一応水中メガネとシュノーケル、足ひれと浮き(空きペットボトル)を付けて海岸の近い所を泳ぐ。同じスイミングでもプールとは勝手も違うし、第一監視員も連れもいない。自然相手で、全て自己責任であるので少し緊張感もある。
これで船舶やジェットスキーの通らない海岸沿いを2kmほど泳ぐのだが、一度海に入って泳ぎだすと緊張感もほぐれ水中の小魚の群や時々通過する大型の魚、海底の海藻の林や岩場の起伏を楽しむ。プールの様に横を泳ぐ奴との無意識の競争もしなくてよい。
海水は真水と違い、体がよく浮くので、今までにも足がつったことは何度もあった。プールでは底に立って腱を伸ばさないと体が浮くものではないが、海水だと立ち泳ぎのままでOKである。船と沖へ流されることだけに注意をしておけば取り合えず良い。
お盆も過ぎて、もうそろそろ海水の温度も下がり始めた。たぶん、もう数回やれば今年は終わりだと思う。冬のスキーの様に、この季節だけの楽しみが増えた。
毎日暑い日が続いている。私はこんな日は嫌いではなく、汗が噴き出る様な状況でも、私自身の体調が普通なら、むしろ気持ち良いくらいである。
昔乗っていたヤマハ・セロー(250cc単気筒オフロード)に久しぶりに乗った。乗りやすい。自転車に毛が生えた程度だ。気持ちいい。無駄な力が抜けて、心が癒される。それでいて、100km/hは何とか出るので通常使いに過不足はない。第一この季節、大型バイクはエンジンの放熱が凄まじく、湯たんぽを足の間に挟んでいるような状況になるのだが、股が全く熱くない。いいとこ尽くめの様だ。ロングセラーの理由も分かる。
しかし、一つ物足りないのだ。迫力がない。バイクにはこれが絶対必要だ。これがあるから、憧れも恐れも自制心も操る満足感も生まれる。これがない状態を満足しているとしたら、心が老化しているということだ。心の老化は体の老化から始まっている。抗わなければいけない、心地よい老化から脱しよう。
先日4日間の早めの夏休みを取り、かねてから望んでいた叔父の墓参りと、叔母の見舞いに行ってきた。場所は神奈川県の相模原。四国地方梅雨開けの報が出た途端にバイク(白鯨号)で発った。
女系家族だった私の実家の中で、たまに帰省する叔父とは気が合った。カメラ好きの叔父が撮ってくれた私が小さいころからの写真は、今でも大切に壁に掛けてある。私が上京した時から学生時代を通し、車で色んな所へ連れていってくれたり、長期間家に留めてくれたり、大変お世話になった人である。叔父の奥さんである叔母にも当然お世話になっており、病気療養中であると聞き、とり急いで白鯨号に跨ったのである。
四国は梅雨が開けたといっても、本州の中央部ではまだ残っており、加えて台風が列島を直撃しているらしく、雨中の走行も多かったが、長時間のものは無く、カッパを着たり脱いだりが結構忙しい走行だった。
お見舞いと、お墓参りの後は軽井沢を拠点に、相模原→八ヶ岳。白馬→糸魚川→上越→野尻湖。さらに麦草峠→蓼科。(走行距離2500km)。去年の8月上旬に行ったときに太陽光線で目を傷めたが(現在でも光が過度に眩しい症状が残る)、今年は雨模様が目には幸いして、新たな症状は現れていない。
叔父叔母へのお礼とバイクや車好きの人らとの交流も楽しい旅だった。